【メディア・ニュース】自殺の原因が同性愛だったかもしれない中学生のニュース(埼玉)2008年05月31日 15:08

(北丸雄二さんのサイト 
http://www.kitamaruyuji.com/stillwannasay/2006/12/post_5.html 
をみて知った話です。)

 1995年3月の話です。
 埼玉県本庄市の中学一年生の男子が自殺で亡くなったというニュースが、各新聞社の新聞記事として(小さな記事なのですが)取り上げられました。
 その子の日記には、好きになった相手に冷たくされ、悩んでいたことが書かれてあったそうです。

 読売新聞の記事には、次のように書かれています。
「この生徒の日記には、『好きな相手に冷たくされた』などの記述があり、ふだんから『自殺したい』と両親に話していた。」(1995年3月18日 東京夕刊 11頁 社会面)

 朝日新聞には、次のように書かれています。
「家に残っていた日記には、好きになった相手に冷たくされたと思い込み、悩んでいたことが書かれていたという。」(1995年3月19日朝刊)

 そして、毎日新聞には、次のように書かれています。
「残された日記には、男の友達に冷たくされたと思い込み、悩んでいる心境がつづられていた。」(1995年3月18日 東京夕刊 9頁 社会面)

 読売と朝日で「好きになった相手」と書かれていた部分が、毎日では「男の友達」になっています。

 自然、「この子が好きになった相手は男性だったのだろう」、そして、「好きになった男の子に『冷たくされた』と思い、悩んでいたのだろう」ということが推察できます。
(もちろんこれだけで断定することはできず、推察が外れていることもあり得るでしょうが。)
 「同性愛」「ゲイ」という表現は各記事のどこにも見当たらず、複数の記事の記述を合わせてみて、みえてくる背景があるようです。

 この子の親は、そんなことを新聞記事の中で明らかにしてほしくはないでしょう。
 記事を書いた記者も、そのへんに配慮をしたのかもしれません。

 欧米では、LGBの子どもたちの自殺率の高さが問題視され、しばしば取り上げられます。
 日高庸晴さんの研究 http://www.joinac.com/tsukuba-survey/
 でも、日本のゲイ・バイセクシュアル男性の自殺念慮率・自殺企図率の高さが報告されました。

 同性愛であることを悩みそれが自殺の一要因になっていた中学生・高校生は日本にも間違いなくいることでしょう。
 しかし、「同性愛に関する悩みが自殺の一要因だった」ということが明らかになり、それを「どうにかしなければ!」という認識が社会に生まれるのは、日本ではまだまだ難しいことなのでしょうか?
 まずは現状を把握する必要があるでしょう。

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